在職中と異なり、退職後は原則として職業選択の自由が保障されています。退職する従業員に対しては、競業避止義務を課すことが有用です。
あらかじめ就業規則に退職後に競業避止義務を定めておくことや、退職時に誓約書などを作成することが考えられます。
職業選択の自由が認められているので、不当な制限にならないよう注意する必要があります。競業避止義務の有効性を判断する考慮要素としては、守るべき企業の利益があることを前提として
①契約内容が目的に照らして合理的範囲内にとどまっているかどうか
②従業者の地位
③地域的な限定の有無
④競業避止義務の存続期間
⑤禁止される競業行為の範囲
⑥代償措置の有無等
となります。仮に合意があったとしても、これらの考慮要素を踏まえ不当な制限であると判断されれば、公序良俗に反し無効となります(民法90条)。
取締役においても、基本的な考え方は同様です。なお、取締役は在任中においては、善管注意義務(会社法330条、民法644条)、忠実義務(会社法355条)、競業避止義務(会社法356条)を負っています。
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